国内最大級の昆虫標本ピンチ 寄付募る 九州大学博物館
九州大学総合研究博物館(福岡市)には国内最大級の昆虫標本などがあります。しかし、お金が足りず、収蔵品の保管が難しくなっています。保存環境を整えたり、標本を修理したりするための寄付を募集しています。【田崎春菜】
新種と判明することも

九州大学総合研究博物館にある昆虫の標本。丸山宗利さんが持つ古い標本箱から、手前の新しい標本箱に変更が必要です=福岡市で
九州大学は2000年に博物館を設立しました。07年からは旧工学部本館を使っています。収蔵品は、日本や外国の生き物の標本や化石、鉱物など176万点に上ります。
中でも、世界の注目を集める昆虫研究は100年以上の歴史があり、集めた昆虫標本は120万点に達します。標本になっているゾウムシやハネカクシが新種だったと判明することもあり、その数は毎年10~20種以上になります。
この世界有数のコレクションは、研究者だけでなく、市民にも無料で公開されています。しかし、建物は築100年近く、温度や湿度を一定に保つための収蔵室がありません。昆虫の標本箱は木製で約100年前に製造されたものもあります。
目標3000万円
博物館の光熱費は年間約410万円(25年度)です。国から大学に配分される運営交付金などで払っていますが、交付金は減額が続く上、近年は円安の影響などにより光熱費も高くなっています。
研究員が自分の研究費で、標本箱を買ったり、収蔵品を修理したりするケースもあります。この問題を解決するため、今回の寄付に望みをかけています。寄付の目標額は29年度末までに3000万円です。
博物館の丸山宗利・准教授は昆虫学者で、毎日小学生新聞で昆虫の魅力を解説する「まるやま昆虫研究所」「まるやま昆虫相談所」を25年3月まで連載していました。丸山さんは「技術が進歩すればコレクションの使い道も広がります。人類の貴重な財産として後世に残したいです」と協力を呼びかけています。
こども新聞
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