第72回青少年読書感想文全国コンクール 博田かおり副校長 「自分のことばで」
博田かおり副校長 東京都新宿区立戸塚第一小学校
夏休みの宿題として定番の読書感想文をいざ書こうとして、戸惑った人はいませんか。小学校で読書感想文の書き方を教え、全国学校図書館協議会のオンライン講座「読書感想文指導にチャレンジしよう!」の講師を務める東京都新宿区立戸塚第一小学校の副校長、博田かおり先生に取り組むコツを聞きました。【銅崎順子、写真・宮本明登】
自分のことばで書いて
まずは本の選び方です。本が苦手な子どもたちには「主人公に共感できるもの、例えば自分が野球をやっているなら主人公が野球をやっている本を読んでみて。自分の好きなものがテーマになっている本は読み進めやすいよ」と伝えていたそうです。

博田かおり副校長
学年が上がると、科学系などノンフィクションの本も自分の興味に合ったテーマなら感想文に書きやすいです。
薄い本から挑戦するのもおすすめです。「例えば絵本。今年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書でも小学校中学年のノンフィクションは絵本が選ばれています」
また、幼児対象として出版された「かべのむこうになにがある?」(ブリッタ・テッケントラップ作)は、2019年度の第65回青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の部の課題図書でした。
主人公は知りたがりの小さなネズミ。すみかのそばにある「大きな長い赤い壁」について、これは誰が作ったのか、この壁の向こうに何があるのかを探し求めるお話です。「『壁』について読んだ人に考えさせる本」と表現します。
戦争と平和を取り上げた絵本「秋」(かこさとし文・絵)も感想文を書くことができます。「秋」の対象は小学校高学年から一般までと幅広いです。「戦争と平和に関連した本の感想文は、曽祖父母らから太平洋戦争当時の話を聞いて自分の考えを書くのが、一般的で取り組みやすい面がある」と話します。
課題図書は毎年、日本文学と外国文学、ノンフィクションが子どもの発達に合わせて選ばれています。博田先生の指導で読書感想文を書くのが好きになった子どもたちの中には、課題図書から選ぶ児童も多くいました。
感想文に書くために読むのなら「課題図書のほか、名作の『モモ』(ミヒャエル・エンデ作)や『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治作)などもぜひ手に取ってほしい。ロングセラーは保護者も読んでいる場合が多い。感想文を書く際に家庭で話題にしたり相談しやすかったりしていい」と話します。
印象残った文はメモ
「この本で感想文を書こう」と決めたら、最低でも3回は読んでほしいといいます。読みながら、印象に残った一文をメモに取る、あるいは付箋を付けておくと書きやすくなります。家族と一緒に読むのもいいです。
読書感想文でついやってしまいがちなのが、行数の大半をあらすじに使ってしまうことです。「感想文は、自分の考えを表現する作文。自分のこと半分、本のこと半分くらいのバランスがいい。主人公に共感できることや自分と重なること、自分の経験を自分のことばで書いていこう」と話します。
指導してきた子どもたちには「自分が書いた感想文を保管し、大人になった時に読み返してごらん」と伝えてきました。「あの頃の自分ってこんなことを考えていたんだなってわかるから、がんばって取り組もうとアドバイスしています」
プロフィル
1977年、福島県石川町出身。2002年、東京都公立小学校教員。前任の新宿区立津久戸小学校で読書感想文指導に目覚め司書教諭資格を取得。26年4月から同区立戸塚第一小学校副校長。
こども新聞
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