しごと図鑑 野球選手が活躍できるように整備する「グラウンドキーパー」
春は、選抜高校野球大会が開かれ、プロ野球公式戦が始まる季節です。そこで、選手が活躍できるようにグラウンドを整備する「グラウンドキーパー」に注目。昨年、開場100周年を迎えた阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)を舞台に働く金沢健児さんに話を聞きました。
◆どんなお仕事ですか?
選手が安全で快適に試合をできるようにグラウンドを整備する仕事です。芝の手入れや水まきをし、土を平らにし、ラインを引きます。試合前だけでなく、試合中や試合後にも整備します。特別な資格は必要ありませんが、私を含めて野球を経験した人が多いです。
◆なぜこの仕事を選んだのですか?
母が甲子園球場で働いていたので、よく遊びに行っていました。高校生のときには球場でアルバイトもしました。卒業後は別の会社に就職したのですが、数年後、母から甲子園球場を整備する「グラウンドキーパーの募集が出ている」と聞きました。悩みましたが、好きな野球に関わる仕事をしたいと改めて思い(勤務先の)阪神園芸に転職しました。
◆グラウンドキーパーの難しさは?
人工芝を使用している球場が多いなか、甲子園球場は天然芝と土を使っています。屋根がない球場なので、天然芝の状態が変わりやすいです。また、雨がたくさん降ってしまうと、グラウンドがぬかるんで試合が中止になることもあるため、天候に合わせて対応することが大切です。
◆阪神甲子園球場への思いは?
甲子園球場は、全国の高校野球出場校の中でも強いチームが試合をできる場所です。野球を始めた子どもたちがまず目指すのが「甲子園」だと思います。選手にとっては一生に一度かもしれない大きな舞台。だからこそ、普段練習しているグラウンドと違って「甲子園はすごい!」と感じてもらえるような特別な舞台を作りたいです。
◆どんな小学生でしたか?
休み時間に友達とプロレス技をかけ合うなど元気に遊んでいました。当時の野球人気や母の弟の影響もあり、野球を始めました。
新聞を読むことが好きで、分からない漢字があれば辞書を引いて覚えていました。自分が知らない世界を知ることもでき、そのおかげで国語が得意でした。
◆小学生にメッセージを
「この勉強って将来役立つのかな?」と感じることがあるかもしれないし、私もそう思ったこともありました。でも、大人になって役に立つこともあります。例えば、理科の授業で学んだ「植物の光合成」も、天然芝をあつかう今の仕事に必要な知識でした。いろいろなことに興味を持ち、挑戦をしてほしいです。
球場ってどんなところ?
雨が降っても試合ができるドーム球場と屋根のない球場があって、選手がプレーする場所をグラウンドと呼びます。グラウンドは人工芝が敷かれている球場と本物の芝生(天然芝)を使っているところがあり、阪神甲子園球場は屋根のない天然芝の球場です。高校野球の全国大会、阪神タイガースの試合などが開催されます。
阪神甲子園球場
エスコンフィールドHOKKAIDO