お庭やベランダで気軽に楽しむ 
種をまいて花を育ててみよう!

樋口幸男教授

樋口幸男教授

そばに花が咲いていると、気持ちが華やぎ、会話も生まれます。
育てやすく、手に入りやすい花の種を、自宅で植えてみませんか? 「小学館の図鑑NEO 飼育と観察」で植物のページを監修している恵泉女学園大学人間社会学部(東京都多摩市)の樋口幸男教授に、アドバイスしてもらいました。


マリーゴールド

マリーゴールド

Q 春におすすめの花の種は?

A マリーゴールドは育てやすいですよ。マリーゴールドの種は1㌢ほどの長さがあり、初めてでも扱いやすい大きさです。4月に種を植えれば、60日ほどで花が咲きます。サルビア、日々草、インパチェンスも気軽に楽しめます。これらの花は、「春まき1年草」と呼ばれ、春に種をまくと、秋まで花を咲かせてくれます。種はホームセンターのほか、インターネットを通じて購入できます。

Q 種のまき方を教えてください。

マリーゴールドの種

マリーゴールドの種

日々草の種

日々草の種

サルビアの種

サルビアの種

A 種の大きさに見合った深さに埋めることが重要で、ゴマ粒ほどの小さな種は2㍉ほどの深さに、ヒマワリの種のように大きな種は1㌢ほどの深さに埋めてください。今回ご紹介する種は、2~4㍉程度の深さが適当で、あまり深く埋めると発芽しにくくなります。芽が出るまでは土の表面が乾かないように注意し、直射日光に当てる必要もありません。

芽が出てきたら、今度はできるだけ日が長く当たる場所に置いてください。日に当たる時間が短いと、茎や枝が必要以上に伸びて、倒れやすくなります。

花をたくさん咲かせるコツ

Q マリーゴールドは何に植えると育てやすいですか?

A 直径7・5㌢(2・5号)のポット(鉢)がいいでしょう。プラスチックでできた「連結ポット」も便利です。たくさんの苗を同時に育てることができます。育ったら、プランターや花壇などに植え替えてください。

連結ポットに植えたマリーゴールドの種が発芽!

連結ポットに植えたマリーゴールドの種が発芽!

Q なぜ植え替えるのですか?

A 鉢の中が根っこでいっぱいになり、根が伸びる余地がなくなる状態(根詰まり)になるからです。

Q 植え替えなくても育てられる植物を教えてください!

ワイルドストロベリー

ワイルドストロベリー

A ワイルドストロベリーはいかがでしょう。甘酸っぱい実で、食べられますよ。春、直径9㌢の鉢に種を植えると、3カ月ほどで花や実をつけます。日なたで育て、土の表面が乾いたら水をあげてください。種はインターネットで購入できます。小さい種なので取り扱いに注意してください。

 

 

Q 花をたくさん咲かせ、長持ちさせるコツは?

日々草

日々草

A 花がら(枯れたりしおれたりした花)をこまめに取り除くことです。種を作ろうとして花がらに養分を送ってしまい、これから花を咲かせるつぼみに養分が届かなくなるからです。

 

 

 

Q どんな土や肥料を用意すれば良いですか?

サルビア

サルビア

A 草花用に腐葉土や肥料の入っている土が売られていますが、種まきに用いると病気が出る心配があるので、腐葉土や肥料の入っていない種まき用の土を使いましょう。発芽した後は週1回、水の代わりに、500倍程度に水で薄めた液体肥料をあげると良いですよ。
苗が育ってプランターなどに植え付けるときは、肥料入りの草花用の土を使うと、ひと月ほどは肥料をやる必要がなく便利です。