しごと図鑑
いいところを見つけ工夫して広く伝える仕事 コピーライター

国井美果さん
普段なにげなく見るテレビのコマーシャルや新聞・インターネットの広告。その中で、会社や商品のイメージをよりよくする言葉や文(=コピー)を考える専門家を、コピーライターと言います。これまでに多くの有名なコピーを生み出したコピーライターの国井美果さんに、どんな小学生だったか、仕事で大事にしていることなどを聞きました。
Qどんな小学生でしたか?
千葉市の小学校に通い、4年生から吹奏楽部に入りアルトサックスを担当しました。顧問の先生には「理想の音楽」があり、それに近づけるため「本気でいい演奏をするぞ」という指導方針。良い意味で私たちをこども扱いしませんでした。
5年生の時、コンクールの曲がピアノと吹奏楽の協奏曲で、私はピアノ担当に。「まちがえられない」とプレッシャーで押しつぶされそうになりましたが、「10年後の自分はどうしているかな、笑っているかな」と想像してがんばりました。本番はうまくいって、チームも特別賞を取りました。つらいことを背負った時の気持ちの逃がし方を学び、「がんばればなんとかなる」という自信にもなった大きな経験です。
Qどんな仕事ですか、これまでの仕事で印象に残るコピーは
会社の悩みや目標、思いをとことん聞いて、よりよくするアイデアを言葉の力で提案し、世の中の人に伝える仕事です。自分の仕事で印象的なコピーは、化粧品会社の資生堂の「一瞬も 一生も 美しく」です。今のところ一番多くの人に覚えてもらえているかな?と思います。たくさんの人が好きで覚えてくれることは、会社自体も好きになっていることでもあるので役に立てたかなと思います。
Q仕事で大事にしていることは
まず相手の話をじっくり聞きます。その中にはコピーのヒントになるような、キラッとするキーワードがいくつもあって、そのなかで「一番言いたいこと」=「ど真ん中をつく」ことを大事にしています。
Q自分の気持ちを言葉にするのが苦手な子もいます。アドバイスを
うまく言おうとしなくてよいと思います。心の中のもやもや、ぐしゃぐしゃをひとつ取り上げて「これを言ったらスッキリするかな」というのを見つけ、言ってみる。最初はだれかのマネでもいい。そこから自分なりの言葉になっていくと思います。
Q小学生にメッセージを
コピーライターの仕事の大切な部分は、その商品のいいところを発見して印象深く広く伝えること。それは将来のどんな仕事にも役立ちます。みんなも、友だちが気づいていないよいところを見つけたら本人やまわりの人にぜひ伝えてください。照れくさいかもしれないけど、相手はうれしいし、きっとそれを忘れません。
ある日のスケジュール
07:30
起床
08:00
こどもを学校に送る
09:00
メールチェック、洗濯などの家事
10:00
オンラインで仕事の打ち合わせ
12:00ごろ
昼食
13:00~15:00
都内の編集スタジオでテレビCMの編集に立ち会う
帰宅後~18:00ごろ
パソコンでコピーを考えたり、企画書を作成
20:00ごろ
家族と一緒に夕飯
21:30
こどもの宿題チェック
22:00~00:30
コピーを考えたり、メールの返信など
00:30すぎ
就寝