給食の歴史って? 全国のめずらしい給食も紹介
みんな大好き、給食の時間。好きなメニューは何かな?
元小学校教諭で、全国400校以上の給食を食べ歩いた学校給食研究家の吉原ひろこさんに、歴史や最近の特徴、全国の面白いメニューなどを聞きました。

地元の白鷺米を食べる子どもたち=高知市で
「おいしくてエコ」な給食へ
Q 学校給食の歴史は?
A 1889(明治22)年に山形県鶴岡市の私立小学校で始まったというのが一番古い記録です。その後各地で徐々に広がり、1947年に全国で始まりました。当時は貧しくてお弁当を持ってこられない子どもがたくさんいたため、エネルギーを補給して午後の勉強の効率を上げることが主な目的でした。
Q 最近の学校給食の特徴は?
A 地元の食材を食べる「地産地消」が定着しています。2005年ごろから農林水産省が推進し、これにより地元の農家さんを支援でき、子どもも、自分たちの地元の農産物を身近に感じることができるようになりました。鮮度が上がり、輸送コストを抑えられるメリットもあります。
また、パンではなくご飯を食べる「米飯給食」も広まっています。ご飯の回数が増えたことで、ご飯にあう昔からの「郷土食」が給食に取り入れられて、「地元の食材で地域伝統の和食を味わえる」という、とてもすてきな変化が起きています。

地元産ニラ入りのスープを盛り付ける児童=山形県金山町で
Q 全国の給食のメニューの中で、特徴的なものは?
A 兵庫県の「セコガニ」は有名ですね。変わり種では「トリニータ丼」という大分県で地元サッカーチームを応援するメニュー。調理師さんが「選手のように強くなってほしい」という願いを込めて考案し、鶏とニラを使って、甘辛く炒めたものです。また、沖縄県ではタコライスも人気。札幌市ではサケの姿焼き、青森県のせんべい汁、三重県ではウナギが出る給食もあります。

給食のセコガニに喜ぶ子どもたち=兵庫県新温泉町で
給食は「三つの“り”」の時間
Q 給食は子どもにとってどんな時間であってほしいと思いますか?
A 給食は三つの「り」の時間であってほしい。「リラックス」、「リフレッシュ」、「リセット」。午前中4時間勉強して疲れていても、給食の時間は何も評価がつかない、リラックスできる時間です。子どもはここでリラックスすることで脳みそが働き気持ちもリフレッシュでき、午後の授業もリセットして臨めます。どこの学校でもきちんとこの三つの「り」が実践できる時間であってほしいです。

トリニータ丼=大分市で
小学生にメッセージを!
き:きれいに残さず食べようね
ゆ:愉快に楽しく食べようね
う:うまい! と味わいながら食べようね
し:しっかり給食の中身を見てくださいね
よ:よくかんで食べようね
く:くつろいで食べようね
小学生の人気メニューベスト3は?
1位 唐揚げ
2位 カレーライス
3位 混ぜご飯子どもはとにかく揚げ物が好き! コロナ下でテイクアウトの唐揚げ店が増えて特に唐揚げが人気になりました。

吉原 ひろこさん