しごと図鑑
洋菓子を作る職人 パティシエ
ふわふわのショートケーキ、さくさくクッキー……みんなが大好きなケーキや焼き菓子。パティシエは、それらの洋菓子を作る職人のことです。帝国ホテル(東京都千代田区)調理部ペストリー課所属のパティシエ 、天野綾音さん(31)に、話を聞きました。
Qどんな小学生でしたか?

天野綾音さん
出身は愛知県の東浦町という小さな町です。授業では音楽や図画工作など手先を動かすことが好きでした。共働きの家庭で、両親と平日はあまり一緒に過ごせなかったですが、母がカステラを手作りしてくれたり、父が仕事の帰りにケーキを買ってきてくれたりと、週末は甘いものを囲んで家族みんなで過ごしました。私にとって大切な人と過ごした豊かな時間には、甘いものが常にともにあったという記憶があります。
Qどうやってパティシエになりましたか?
高校卒業後に東京都内の調理師専門学校製菓コースに進学しました。1年目は都内の校舎で学び、2年目はフランスの校舎に留学しました。フランスでは三つ星レストランでの研修の機会もあり、生産者さんが心を込めて作った食材を大切に使いお客様に届けること、レストランならではの臨場感など多くを学びました。2017年に帝国ホテルに入社し、メインダイニングの専属パティシエなどを経て、現在はホテルショップやレストランで提供する洋菓子の製作を担当しています。
Qどんな仕事ですか?
ホテルはたくさんのお菓子を作るため、日常的に20㌔㌘の砂糖の袋を運ぶほか、卵も1度に100個単位で割ったり、イチゴは多い時で1000粒単位でヘタを取るなど、体力が必要な仕事です。イチゴはヘタを一つずつ手作業で取って洗浄するので、特にイチゴをたくさんケーキで使用するクリスマスの時期は活気があります。さらに、毎日味見をするので細やかな味の差に気づけるよう、体調管理にも気を付けて、自分の身体と日々向き合っています。それでも、日々変化する食材を扱うのは楽しく、自分が作ったお菓子でお客様に喜んでいただけた時にやりがいを感じます。その他にもプロポーズ用の特別なデザートを作ったり、お子様の誕生日祝いにお子様の身長と同じくらいの高さ1㍍の5段ケーキを同僚と3日がかりで作ったこともあります。
Qパティシエを目指す小学生にアドバイスを。
ぜひたくさんいろいろな種類のケーキを食べてみてほしいです。食べた上で、そのケーキが何からできているか、どうやって作られているのか想像してみてください。こだわりや思いをお店の人に聞いてみても良いですね。自分が好きなお店やケーキが一つでも見つけられたら、より興味を深められると思います。
ある日のスケジュール(朝・昼・夜の3交代勤務)
午後2時
出社
バイキングのレストランでデザートの提供
ランチ営業終了後、厨房に移動して
翌日のレストランのデザートの仕込み
午後5時~午後10時半
バイキングのレストランで
デザートの提供
ディナー営業終了後、片付け
おうちでチャレンジ!天野さんおすすめレシピラングドシャ
材料(約50枚分)
無塩バター10㌘、粉糖25㌘、
生クリーム25㌘、卵白15㌘、
薄力粉36㌘、
バニラエッセンス適量、
お好みのチョコレートや飾り用の粉糖

直径 約5cm 厚み 約1.5mm
フチがきつね色に変わるまで焼く
作 り 方
- 溶かしたバターに粉糖を入れ、ホイッパーで白くなるまですり混ぜる
- 生クリームを3回に分けて入れ、その都度混ぜ合わせる
- 卵白も同様に3回に分けて入れ、その都度よく混ぜ合わせる
- 振るっておいた薄力粉を入れ、ゴムベラで均一になるまで混ぜ合わせたものにバニラエッセンスを入れる
- 1時間半ほど生地を休ませてから、オーブンの鉄板にベーキングシートを敷き、丸い形に薄く広げる
- 170度に予熱しておいたオーブンで様子を見ながら9~10分ほど焼く
- 焼きあがったら網の上にのせて粗熱を取ったらできあがり!
※お好みで溶かしたチョコレートをつけたり粉糖を振って飾ってもOK