歯磨きちゃんとできてる? 正しい知識で歯を健康に保とう!
みんなは歯みがきは毎日してる? 健康な歯を保つのは、みんなが元気でいるためにとっても大事なんだよ。むし歯を防ぐ歯みがき方法や食事のポイントなど、歯の専門家である「ライオン快適生活研究所」オーラルケアマイスターの平野正徳さんに聞きました。
むし歯(治療が必要)
C1
・歯の表面「エナメル質」の限られた狭い範囲に穴ができている状態
・痛みなどの自覚症状は少ないC2
・むし歯が歯の内部に広がり、象牙質まで進んだ状態
・冷たい飲食物でしみることがあるC3
・むし歯が神経まで進んでいる状態。内部で広がっていることがある
・激しい痛みがあるC4
・歯冠部がほとんど崩壊し、歯根だけが残った状態
・歯髄(神経)が死んでしまい、痛みは感じなくなる
むし歯のせいで歯を失うことも
Q むし歯はどうしてできるの?
A むし歯とは、口の中にいる「むし歯菌」と呼ばれる細菌「ミュータンス菌」が作る「酸」によって歯が溶ける病気のことです。この「酸」は、食べ物に含まれる「糖」をエサにして作られます。だから、食事の回数が多かったり、糖分の多い飲み物や食べ物をたくさん取ると、歯の表面が溶けて、歯に穴が開くむし歯の状態になってしまいます。
Q むし歯になるとどうなるの?
A しみる、痛む、黒く着色する、口臭が目立つなどの他、最終的には歯を失うことになってしまいます。歯を失うと、歯並び、かむ力、発音、見かけにも影響します。また、乳歯(子どもの歯)がむし歯になった場合、生えてきた永久歯がむし歯になるリスクが高まります。どうせ抜けてしまうからと思わず、歯科医院できちんと治療することが大切です。
Q むし歯にならないように気をつけることは?
A 大きく分けて3つあります。1つ目は歯そのものを強くするため、フッ素配合の歯みがき粉を使用すること。フッ素には歯の耐酸性を高め歯質を強化する働きがあります。2つ目は、「食べたらみがく」習慣をつけることです。夜は特に丁寧にみがき、歯と歯の間はデンタルフロスで掃除します。3年生くらいまでは保護者の方が点検みがきをしてあげましょう。3つ目は食習慣の改善です。よくかんで食べると唾液が出て、汚れを洗い流すのに役立ちます。
1回3分ぐらいが歯みがきの目安
Q 正しい歯みがきの仕方は?
A 歯ブラシは軽く持つのがコツです。ブラッシングの基本は、毛先を歯の面にきちんとあて、毛先が広がらない程度の軽い力で、小刻みにみがくこと。1カ所あたり20回程度、1回3分くらいが目安です。生え変わり期のでこぼこの前歯は、みがきにくいので、歯ブラシを縦にして上下に1本ずつ丁寧にみがきましょう。
朝など忙しくて時間が取れない場合は、大きめのブラシで手早くみがき、夜は小さいヘッドのブラシで丁寧に、などメリハリをつけましょう。保護者の方も一緒に楽しくみがく姿を見せ「歯みがき=楽しい時間」と感じてもらうのも大事です。歯医者に定期的に通いプロの人に正しい指導をお願いするのも良いです。
Q 「かむ力」をつけるにはどうしたらいいの?
A よくかんで食べる、ガムやグミ、硬いパンや根菜などかみ応えのある食材を食べること。かむときは唇をしっかり閉じて、左右の奥歯でバランス良くかみましょう。
ブラッシングの基本
1カ所あたり20回程度を目安に、丁寧にみがきましょう。

毛先を歯面(歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間)にきちんとあてる

150〜200gの軽い力(毛先が広がらない程度)でみがく

小刻みに動かす(5〜10mmを目安に1〜2歯ずつみがく)
イラスト提供:ライオン株式会社「Lidea(リディア)」
平野 正徳(ひらの・まさのり)さん
博士(学術)、健康予防管理専門士、介護口腔ケア推進士。
オーラルケア関連の基礎研究ならびに開発研究に20年以上携わる。オーラルケアマイスターとして、講演やメディアなどを通じて歯と口の健康に関する生活情報を伝えている。