児童の「気づく力」育む 小学校で地域安全教室

武蔵野市立境南小で開かれた「地域安全MAP教室」

入りやすく、見えにくい場所に近づかない――。「だいじょうぶ」キャンペーンでは、犯罪が起きやすい場所を学ぶ「東京海上日動プレゼンツ 地域安全MAP教室」(協賛・東京海上日動火災保険)を全国の小学校で開催している。

教室では、立正大の小宮信夫教授(犯罪学)が考案した地域安全マップを活用。「犯罪者が入りやすく、周囲から見えにくい場所」を、自分たちが暮らしている地域の中から探し、危険に気づくことができる力を育むのが狙いだ。

今年5月には武蔵野市立境南小で、6月は横浜市立港南台第三小で開かれた。港南台第三小では、小学3、4年の児童と保護者、地域住民の合わせて97人が参加した。同小の学区は、団地などが建ち並ぶ住宅街があり、子どもたちが遊ぶ公園も多い。

児童は、インターネットの地図を使って、小学校周辺の危険な場所を確認した。例えば、周りの家から遊具が離れている公園は「見えにくい」ため、大勢で遊ぶことが望ましいという。児童からは「よく遊ぶ公園にも危ない場所があったので、気をつけたい」「悪い人の来やすい場所には行かないようにしたい」などと感想が寄せられた。

小学生になると、登下校時や習い事へ通う際など、一人や少人数で地域を歩く機会も増える。同小で、安全を守る取り組みを担当する職員、古賀友裕さんは「小学3、4年になると、『社会』の授業で地域の安全、消防や警察などについて学ぶ。『地域安全MAP教室』を通じて(授業内容の)理解も深まる。子どもたちが、自分で判断できる力を伸ばしていきたい」と話している。

2024年8月31日 毎日新聞 東京朝刊掲載

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横浜市立港南台第三小学校で開かれた「地域安全MAP教室」