防災、絵本で身につけて 福島のイラストレーター・物江さん出版

出版した絵本を手にする物江麻衣子さん=福島市で

 

福島市ふくしましのイラストレーター、物江ものえ麻衣子まいこさん(40)が、初はじめての絵本えほん「はなちゃんとひなんくんれん」(河北新報かほくしんぽう出版しゅっぱんセンター、1650円えん)を出版しゅっぱんしました。出身地しゅっしんちの宮城県名取市みやぎけんなとりしで東日本大震災ひがしにほんだいしんさいに、そして福島市ふくしましに移住いじゅうした後あとの2019年ねんに台風たいふうで被災ひさいした経験けいけんから「子こどものうちから防災意識ぼうさいいしきを持もってほしい」と工夫くふうを凝こらしました。【錦織にしごおり祐一ゆういち】

物江ものえさんは実家じっかが11年ねん3月がつの東日本大震災ひがしにほんだいしんさいの津波つなみに流ながされました。結婚けっこんして移住いじゅうした福島市ふくしましでは、19年ねん10月がつの台風たいふう19号ごうで自宅じたくマンションが浸水しんすい。夫おっとが経営けいえいする塾じゅくが入はいっていたビルの空くう室しつで、3か月げつの避難ひなん生活せいかつを送おくりました。

2度どの被災ひさい体験たいけんを生いかそうと、22年ねんに防災士ぼうさいしの資格しかくを取得しゅとく。災害さいがいから学まなんだことや備そなえを描えがいた4コマ漫画まんがなどを展示てんじする防災ぼうさいイラスト展てんを開ひらいたり、フリー素材そざいとして活用かつようしてもらおうと「防災ぼうさいポートフォリオ」(https://bousai.themedia.jp/)を公開こうかいしたりしています。

長女ちょうじょ(5)が通かよっていた保育園ほいくえんでは毎月まいつき、避難訓練ひなんくんれんがありました。でも、園児えんじたちは状況じょうきょうを分わからず机つくえの下したに隠かくれるなどして、保育士ほいくしも「どうやって教おしえればいいのか」と悩なやんでいました。

 

絵本のカバーの裏は子どものための避難グッズがたくさん載った塗り絵になっています。=福島市で

 

一方いっぽう、消防士しょうぼうしだった父ちちは、子こどもの頃ころから家族会議かぞくかいぎで何度なんども津波つなみ避難ひなんの話はなしをしてくれました。そこで、考かんがえました。「繰くり返かえし伝つたえることが大事だいじ。絵本えほんなら子こどもに読よみ聞きかせで何度なんども伝つたえられる」

絵本えほんは、園児えんじのはなちゃんが母親ははおやと初はじめての避難訓練ひなんくんれんに挑戦ちょうせんするストーリーです。防災ぼうさいずきんや懐中電灯かいちゅうでんとうなどの備そなえの大切たいせつさや、避難所ひなんじょはどういうところかというイメージを伝つたえます。子こどもたちに、はなちゃんとともに防災ぼうさいを知しってほしいとの思おもいを込こめます。

物江ものえさんには、絵本えほんをシリーズ化かする構想こうそうもあります。「防災ぼうさいを『怖こわい話はなし』ではなく親子おやこのコミュニケーションの中なかに自然しぜんに溶とけ込こませたい。明あかるく優やさしい、前向まえむきな絵本えほんで防災ぼうさいを『贈おくり物もの』にしたいです」と話はなしています。

毎日小学生新聞より転載